屏風展~大画面の面白さ~
2024年6月8日(土)~8月17日(土)
中国から伝来した屏風は、平安時代、寝殿造りの内裏や貴族の邸宅では、広い空間を仕切ったり儀式の場をしつらえる為に必要不可欠な調度品でしたが、絵画や様々な加飾をすることによって室内装飾としても用いられるようになります。
鎌倉時代後半には日本ならではのつなぎ方が生み出された事で、一隻或いは一双一続きの大画面を使った画が描かれるようになり、地に金泥や金箔をほどこすことで装飾性が高まった日本の屏風は、室町時代には外国向けの主要な輸出品となりました。
江戸時代に入っても、武家や公家は勿論、町人階級でも間仕切りや客に応じた饗応をするために欠かせないしつらえの調度として、婚礼道具として、屏風は変わらず製作されました。
今回の企画展では、広大な景色や迫力ある対象の姿、物語を時間経過とともに描くことなど、主に大画面の特長を活かした画が描かれた屏風を展示しています。
一方で、曾我蕭白『四季山水図押絵貼屏風』は、独立した六枚の画が貼りあわされていますが、にもかかわらず六枚で一つの世界を表現しているようなまとまりが、感じられます。
また、浮世絵では横に数枚、或いは縦に二枚といった続き物にすることで、迫力ある情景や物語を生き生きと伝えようとするアイディアも生み出されました。
画家の技倆やセンスが生み出す、さまざまな「大画面」を、どうぞお楽しみください。
【展示作品】
・蜀桟道図屏風(古市金峨) ・金地楪図屏風(大岡春卜) ・四季山水図押絵貼屏風〈左隻〉(曽我蕭白)
・偐紫田舎源氏 ( 月岡芳年) ・摂州大物浦平家怨霊顕るの図 (歌川国芳) ・出雲国大社之図( 二代歌川国久)
・源氏物語図屏風(土佐派) ・桜鳩図・菊鶏図屏風( 池上秀畝) ・虎図屏風(岸國章)
展示作品
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